コーヒーに含まれるカフェインの薬理作用には、前回の「脳ミソにもおいしい」以外に、私たちの心体へ作用するものもあります。
さらに、この心体への薬理作用は、コーヒーを毎回飲むごとに現れやすい「急性作用」と、継続して飲むことで現れやすい「慢性作用」に分けることができます。
1 覚醒作用
カフェインの急性作用の中で、最もよく知られているのが眠気覚まし!覚醒作用でしょう。
覚醒するとき、脳内では快楽物質のドパミンに反応する神経細胞が活性化しようとしますが、普段はアデノシン受容体とかいうアンテナみたいなものに動きを察知され活性化は抑え込まれてしまうのです。
アデノシンって何?
アデノシンというのは、高揚したした神経をリラックスさせる働きを持ち、本来は心と体をやさしく癒してくれる生体内に見られる物質で、それのアンテナのようにドパミンの動きを監視しているのがアデノシン受容体というような感じになります。
先ほどのとおり、通常、アデノシン受容体は、ドパミンに作用する神経細胞を抑え込むのですが、なんと!カフェインはこれに先回りし、ドパミンに加勢するのです。結果、アデノシンの役目である神経の高揚を抑制することが、逆に抑制されてしまい、神経細胞は元気にのびのびと活性化できるようになるのです。
これが、覚醒作用の仕組みと言われています。
みなさん、「パワーナップ」をご存知でしょうか。
「nap(うたた寝、昼寝の意」「Power up(強化する)」を組み合わせた造語、です。
疲労回復を目的とした、短時間で効率的な昼寝、を意味します。
昼寝を含め、睡眠は「細胞の復活作業」とも言われ、とても重要なことです。
また、睡眠により、脳の中で記憶に関係する微細な電気信号のやりとりが強くなる効果も期待できます。
カフェインの覚醒作用は 「飲んで30分ほどで働いて、その後5時間ほど持続する」とも言われています。
この特性を上手に利用すれば、15分から30分ほどの昼寝をして、目覚めと同時に力強くカフェインが効いてくる!ようなパワーナップができるかもしれません。
パワーナップの直前に1杯のコーヒー。試してみる価値は十分にありそうです。
2 中枢興奮作用
カフェインには「中枢神経系」を興奮させる作用があります。
私たちの身体はたくさんの情報を受け取ります。(熱いやかんを触った)
その情報を神経を通して脳へ(生命の危険だ)
分析、判断し(手を離そう!)
指令を下す。(「アチ」っとやかんから手を離す)
このような仕事のできる会社の上司、のような働きをしているのが「中枢神経系」です。
みなさんは、尊敬できる上司が近くにいたら…どうなりますか。
背筋をピンっと伸ばし、仕事のパフォーマンスがあがるかもしれませんね。
そのような効果(注意力・計算能力が高まる 頭脳疲労軽減される)
がコーヒーにはあるのです。
3 骨格筋運動亢進作用
カフェインにより中枢神経が興奮するとインスリンやアドレナリンの分泌が増え、心臓、筋肉の収縮力が高まると言われています。
(ライオンが目の前に来たら、ドキドキしますね。そして、無我夢中で走ることができる…、その様なイメージです)
骨格筋に直接作用して、筋肉の収縮を増強し、疲労感の減退に作用します。
つまり、筋肉疲労の軽減、が期待できます。
ヘルスケアが高まっている時代。筋トレをしている方、ランニングをしている方も多いのではないでしょうか。
「よし、ちょっとジムでも行くか」のお供に。
美味しいコーヒーは、頼もしい相棒になるのかもしれません。

